ザイザルはアトピーに処方される

ザイザルは日本では臨床現場で最も多く使用されているアレルギー疾患治療薬の1つです。ザイザルの有効成分レボセチリジンはラセミ体であるセチリジン(ジルテック)から薬効の強いR体のみを取り出したものです。花粉症などのアレルギー性鼻炎、アレルギー性結膜炎、アトピー性皮膚炎、じんましんなどに使用されていますが、ここではアトピー性皮膚炎に対する効果に関して解説します。アトピー性皮膚炎は、角質層を通り過ぎ、皮膚内部に異物が侵入してきた際に肥満細胞を刺激し、それによって肥満細胞からヒスタミンなどが遊離されます。このヒスタミンはC繊維と呼ばれる神経線維に存在するヒスタミン受容体を介して、C繊維を興奮させます。この興奮が大脳に伝わり、かゆみとして認識されます。かゆみのせいで引っかいて皮膚表面の角質層を傷つけてしまうとさらに異物が侵入しやすい状態となってアトピー性皮膚炎が悪化してしまいます。ザイザルはこのC繊維に存在するヒスタミン受容体を遮断することによって、かゆみ止めとして効果を示します。かゆみが止まると、引っかきたい衝動も少なくなり、徐々に皮膚の表面も正常化していき、アトピー性皮膚炎の改善効果が現れてきます。実際の国内臨床試験の結果では、セチリジンの半分の量のレボセチリジンでセチリジンと同等のレボセチリジンの血中濃度に達しており、生物学的同等性が確認されています。セチリジンの場合には、皮膚炎、湿疹の改善率が65.9%となっており2/3以上の症例で効果が確認されました。よってレボセチリジンに関してもセチリジンと同等の効果が期待できます。またザイザルは小児用においしいシロップ剤が販売されており、小児患者の多いアトピー性皮膚炎の治療ではコンプライアンスの面でも利点があります。